2011年8月13日土曜日

“お盆を迎えて”


日本では
お盆休みに入り
実家へ帰省される方も
多いと思います。
昨日のTVのニュースを
見ていましても
帰省ラッシュが
流れていました。

今日は
先祖供養について
お話をしてみたいと
思います、



お盆と一般的には
言っていますが
正式には
「盂蘭盆会」
(うらぼんえ)といいます。

この由来は
お釈迦さまの
十大弟子の一人である
目連(もくれん)さんの
物語にはじまります。
 
目連さんは、
中央インド、
マガダ国の
バラモンの出身で
お釈迦さまの
仏弟子の中で
「神通力第一」と
いわれた方でした。

目連さんは
雨安居(うあんご)という
雨季の間(約90日間)
草木や虫や小動物が
繁茂するので
お弟子さんたちが
歩き回ることによって
知らずにむやみな
殺生をしなくて済むように
一ヶ所に集まって
修行することです。

その雨安居を終えて
久しぶりにお日さまが
顔を出し
とてもいい天気の朝
祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の
木の下で
亡くなったお母さんを
思い浮かべながら
瞑想に入りました。

そうしますと
目連さんのお母さんが
食べ物に飢えている姿、
のどの渇きに悶えて
苦しんでいる姿を
見てしまうのです。

それを見た目連さんは、
大変悲しみ
神通力を使って
地下深くに
降りていきます。

そうしますと
そこには、
餓鬼の姿になり
苦しむ人々が
たくさんいるのです。

その人々は皆、
目は窪み、
やせ衰え
骨と皮になっていて
お腹だけがふくれ、
食料や水を求めて
さまようありさまでした。
とてもまともには
見られない光景の中で、
目連さんは
その中で
変わり果てた
お母さんの姿を
やっと見つけだしました。

目連さんは
何とかしたい一心で
神通力を使って
お母さんの前に
ご飯を盛った鉢を
差し出しました。

しかし、
お母さんが
そのご飯を
食べようとすると
お母さんの口から
火が噴きだし、
ご飯が燃えて
なくなってしまうのです。
何回も繰り返しましたが、
食べられません。

目連さんは
食べようにも食べれない
お母さんの
嘆き悲しむ姿を見て
大いに悲しみました。

目連さんは、
「お母さん!
待っていてください!
必ずこの苦しみから
救ってあげます。」と伝え、
地上の世界に戻ります。
そして、
お釈迦さまに
涙ながらに
このことを相談しました。

お釈迦さまは
仰りました。
「目連よ、あなたの母は、
生前欲をむさぼり(貪欲)、
物を惜しんでいました
(吝嗇・りんしょく)。

死んで後に
その罪を償うことに
なったのです。」

そして、
お釈迦さまは
目連さんに
救う方法を伝授しました。

「雨安居を終えた僧達が
祇園精舎に集まってきます。
その僧達に食べ物の施しを
(供養)してあげなさい。
そして共に祈りましょう。
そうすれば、
あなたの母も
餓鬼道から
救われることでしょう。」

目連さんは、
お釈迦さまの
教えに従い
僧達への供養と
祈念を行いました。
するとその功徳あって、
目連さんのお母さんは
餓鬼道から救われ、
天上界に
行くことができました。
という物語です。
 
その年から毎年、
雨安居を終える
この時期に
皆を集めて食べ物を施す
大会(たいえ)を行い、
餓鬼に苦しむ
人々の供養にと、
法要を行いました。
所謂、これが
「餓鬼を施す供養の会」としての
「施餓鬼会」でありました。
亡くなった人々が
苦しむ事なく、
成仏してくれる様にと
わたし達、子孫が
報恩の供養を
する時になりました。

このような先祖供養は、
日本においては
独特な菩提寺(氏寺)
を出現させる
源にもなりました。
やがて孟蘭盆会の
諸霊は「お盆様」と
いわれて、
先祖を意味する
ようになりました。

私たちは
肉体的には
父母のDNAを
引き継いでいきます。
その又
父母のDNAと
連綿と
人類の始まりから
この世の始まり
宇宙のすべての
生きとし生けるものと
繋がり共生しています。
そして今がある訳です。
まさしく
原因という源があって
結果という
この世の今
私たちは
生きているのです。

日本においては
1500年余り
続いてきた
この先祖供養の
儀式には
日本に於ける
習慣の儀式として
ご先祖さまたちも
戻ってきています。

「千の風にのって」
という歌が
数年前に流行りました。

“私のお墓の前で
泣かないでください。
そこに私はいません。
眠ってなんかいません“
という歌詞でした。

その通りです。
いつも
魂は自由自在なのです。

しかし
自分の子孫が
毎年決まった形で
集まってくれて
供養をしてくれるのは
うれしい気持ちは
生きている人間と
同じです。

一年に一回
夏のこの時期に
里帰りをして
お父さんやお母さんに
会いに行く
孫たちを連れて
電車から降りてきた
孫と抱き合う
おばあちゃんの姿が
TVで映っていました。
その姿を見て
ご先祖さまも
嬉しいのです。
親が居られるなら
存分に
親孝行をしてください。
それを見て
ご先祖さまも
喜ぶのです。

私たちは
このお盆を
いい機会として
日常においても
ご先祖さまや
神仏に
生かされていることへの
感謝をすることが
大切であると
私は思っています。

「今日は残りの人生の最初の日」

今日も生かされ
いつも共に在ってくれる
見えない存在に対して
「今日も、生かして
いただいて
ありがとうございます」と
感謝をさせて
いただきましょう。

感謝から始まる一日が
悪い筈がないでは
ありませんか。

ありがとうございます。

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